CASE 3:
観光マーケティング :
Kobe Local Stories トラベルブックプロジェクト|台湾出版社 Uni-Books
出版/ストーリーテリング/映像コンテンツ/デスティネーションブランディング
Make it stand out
本プロジェクト「Kobe Local Stories」は、私たちの理念を象徴する取り組みです。
――“観光地マーケティングの本質は、人を通じて語られるストーリーにこそ宿る。”――
出版経験、観光分野の知見、ストーリーテリング、そしてマルチメディア制作を融合させ、現代の読者の共感を呼び起こし、心に残る旅をインスパイアするコンテンツを創出しました。
台湾の旅行者に向けた「神戸ブランド再構築」を目的に、
ガイドブック出版・映像ストーリーテリング・地域コミュニティとの協働を組み合わせた、クロスメディア型プロジェクトです。
01. 背景 Background
本プロジェクトを担当したチームは、
20年以上にわたる台湾向け日本旅行ガイドブックの執筆・編集経験と、
香港政府観光局でのSNSマーケティング・コミュニケーション担当としての10年間の実績を有し、
観光業界、日本各地の地域文化、そして台湾出版市場に深い理解を持っています。
長年神戸に拠点を置く中で、私たちは気づきました。
――神戸は、台湾の旅行者にとって「まだ知られざる魅力に満ちた都市」であることを。――
大阪や京都が関西観光の中心として注目を集める一方で、
港町・神戸は、歴史・建築・文化・食・クリエイティブなライフスタイルが共存する
「上質で洗練された隠れた名所」としての可能性を秘めています。
そして、台湾から神戸への直行便就航という新たな機会を得て、
神戸の魅力をより深く、より共感的に伝えるための絶好のタイミングが訪れました。
02. 課題 Challenge
神戸には豊かな文化的・観光的資源がある一方で、次のような課題がありました。
知名度の相対的低さ:近隣の大阪・京都に比べ、台湾人旅行者の認知度が依然として低かった。
差別化の難しさ:従来型の旅行ガイドブックでは、デジタル時代の情報消費に十分対応できていなかった。
観光資源の印象の偏り:神戸の本質的な魅力は観光名所よりも、“地元の暮らし”にあるにもかかわらず、それが十分に伝わっていなかった。
ストーリーテリングの不足:地域の人々の想いや日常を通した「個人的なストーリー」が欠けていた。
神戸を新たな視点で再定義するために、新しい物語とポジショニングが必要でした。
03. コンセプトと戦略
私たちは、次のような独自の観光マーケティングプロジェクトを企画しました。
「地元の友人が案内する神戸」——台湾読者のための“人を中心にした”旅ガイド情報ではなく、ストーリーを伝える
現代の旅行者が求めるのは、単なる情報ではなく、心のつながりです。
そこで私たちは「場所」ではなく「人」に焦点を当てました。
神戸で暮らす18人へのインタビュー
多様な背景を持つ市民を取材しました。
シェフ
アーティスト
歴史研究者
カフェオーナー
大学生
起業家
長期在住の外国人
地域コミュニティのリーダー
それぞれが語る、
自身の神戸ストーリー
神戸が特別である理由
旅行者のための「半日おすすめコース」
これらの語りを通じて、ローカル文化とリアルな市民目線を融合した旅のかたちを提案しました。
マルチフォーマット展開:書籍 × 映像 × SNS
現代のオーディエンスに届くよう、紙媒体にとどまらない構成にしました。
インタビュー動画(YouTube / Instagram Reels)
撮影の舞台裏を伝えるストーリー映像
ローカルライフを切り取った写真
SNS向けのショートトラベルコンテンツ
戦略として、書籍を中心に据えながら動画で関心を喚起し、プレミアムコンテンツを紙媒体に限定することで、“読む・見る・感じる”を循環させる
クロスメディア体験を実現しました。
出版社・地域コミュニティとの協働
以下のパートナーと連携し、文化的正確性と信頼性を確保しました。
台湾のライフスタイル出版社「Uni-books」
神戸の地域コミュニティ
神戸観光局(調整・支援・広報協力)
この連携により、地域の声と台湾市場の感性を結ぶプロジェクトを構築しました。
04. 私たちの役割
プロジェクト全体を通じて、エンド・ツー・エンドの観光マーケティングを提供しました。
コンセプト開発とデスティネーション戦略設計
台湾市場に向けた神戸の新たなブランドメッセージ:
「ただ訪れる街ではなく、そこに暮らす人々を通して“体験する”街」
リサーチ・インタビュー・ライティング
20年に及ぶ旅行出版の経験をもとに、全てのストーリーを自ら執筆。
地元の声と空気感を丁寧にすくい上げました。
写真・映像制作
書籍とデジタル展開を連動させる高品質なビジュアルコンテンツを制作し、
オンラインでのエンゲージメントを高めました。